アクチュアリー「損保数理」の勉強法
こんにちは。
みなとらです。
私は2015年に損保数理に合格しました。
今回は、損保数理の勉強法について、特に教科書のどこを重点的に勉強すべきかについて説明します。
損保数理の勉強法
基本は教科書と過去問だけです。
教科書で知識をつけて、過去問を解く。
これの繰り返しです。これは生保数理でも年金数理でも同じです。
また、基本的に教科書以外の参考書は必要ないと思います。
損保数理の教科書は年金数理の教科書とちがって分かりやすいです。
また1章ごとに内容が大きく変わるので、多少わからなところがあっても問題なく読み進めていけると思います。
どうしても参考書が欲しいと言う人はアクチュアリー受験研究会の『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 損保数理』を買えば良いでしょう。
教科書の読み方
重要な箇所
損保数理の教科書は他の科目の教科書と比べて読みやすいです。
しかし、それでも最初から最後まで集中して全部読むは辛いです。
ですので、試験で合格するために重点的に読むべきところを、章ごとにまとめました。参考になれば幸いです。
序章 確率・統計の予備知識
数学に受かった人は基本的に読まなくて大丈夫です。
もし読むなら、損保数理で用いる確率分布とその再生性について確認しておくと良いでしょう。推定や最尤法はほぼ必要ないので読まなくて大丈夫です。
第1章 損害保険料率の基礎知識
損保ビジネス特有のお話です。読んでいて辛いなら、この章は後回しでOKです。
・3種類の損害率の算出方法
・営業保険料の算出方法
第2章 クレームの分析
この章は重要です。
しっかり理解しておかないと、これ以降の内容の理解にも悪影響を与えます。
・クレーム総額分布の平均・分散・積率母関数
・複合ポアソン分布、負の二項分布
・クレーム総額の分布関数の直接計算(1回は手を動かして計算)
第3章 経験料率
この章も重要です。
試験でもこの章からはたくさん出題されます。
なので得点源にしたい章です。
しっかり理解してがっつり演習問題を解いていください。
・推移行列
・有限変動信頼性理論
・ベイズ方法論
・Buhlmannモデル
・Buhlmann-Straubモデル
第4章 クラス料率
第3章ほど出題頻度は高くないですが、この章も得点源にしたいです。
特にMinimum Bias法からの出題は絶対正解すべきです。
ちなみに、一般化線形モデル(GLM)は実務でよく出てきます。
・Minimum Bias法
・手法の選択
・一般化線形モデル
第5章 支払備金
ここも得点源にしたいです。
やってることは難しくないので過去問で流れを覚えればOKです。
確率論的アプローチは読まなくてOKです。
・ロスディべロップメント
・チェインラダー法
・ボーンヒュッターファーガソン法
・ベンクテンダー法
第6章 積立保険
この章は生保数理の要素が強いので、生保数理の知識がない人には分かりづらいでしょう。
後回しでもOKです。
全体をさらっと読む。
第7章 保険料算出原理
7つの算出原理はしっかり覚えましょう。
この章はページ数も少ないので、最初から最後までしっかり読みましょう。
・最初から最後までしっかり読む。
第8章 危険理論の基礎
確率過程の深い理解は必要ありません。
特にこの章に関しては早い段階で過去問をやった方が出題のイメージが持てます。
積分微分方程式は試験直前の丸暗記でも良いでしょう。
・オペレーショナル・タイム
・強度関数
・調整係数
・Lundbergモデル
・破産確率と、その積分微分方程式
第9章 再保険
この章から出題される問題は、積分計算が面倒ですが難しくはありません。
・ELC再保険
・ストップロス再保険
・積分の計算力をつけること! 計算ミスしないこと!
第10章 リスク評価の数理
近年新しくい追加された章です。
試験の直前に一気に覚えるのもありでしょう。
・一般化極値分布
・一般化パレート分布
・コピュラ(アルキメデス、フランク、グンベル、クレイトン、正規、t)
・経験コピュラ(一度は手で計算した方が良い)
・リスク尺度
教科書を読む順番
序章、1章、6章、10章は後回しにしても良いでしょう。
逆に、第2章はできれば最初に読んだ方が良いです。
それ以外の章は順番に読んでいけばOKです。
教科書の理解 << 過去問演習
ここまで教科書の重要な箇所について書きました。
しかし、ぶっちゃっけ教科書を読むより過去問を解く方が大切です。
出来るだけ早く教科書を読んで、過去問演習の時間をいっぱいとるようにしてください。
過去問を数年分解けば、教科書の中で「合格に必要なところ」と「必要ないところ」がある程度分かるようになります。
そこまでいければ合格まであと少しです。
頑張ってください。
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